コード進行



ざっくり説明

コードが複数個並んだもののことを指す。

特にコードが持つ性質がどのような並びになっているかを意味して使われることが多い。


がっつり説明

コード進行とは、コードのが複数並んだもののことを指しています。

例えば下の画像を見てください。



上記の画像はメロディがないコードのみの楽譜です。

実線の部分がコードに関する部分で、破線の部分がメロディに関する部分です。

破線の部分には何の記号もなく、実線の部分に記号が2つあることが確認できますよね。

つまりこの画像はコードをストロークで演奏するスコアとなります。


もう少しコードの部分(実線)を詳しく見ていきましょう。

1小節目はGコード、2小節目はCコードが書かれていますよね。

コード進行とは、このコードの並びのことを指しています。

つまり上のスコアにおけるコード進行とは、 Gコード、Cコード、この二つのコードの並びということになります。

このようにコードが2つ以上並んでいれば、どのような並びでもコード進行といえます!


さてコード進行という言葉ですが、実際には一歩踏み込んで、以下のような文脈で使われることが多いです。


コードが持つ性質がどのような並びになっているか


詳しく説明しましょう!

まず、曲中に出てくるコードには一定の性質があります(詳しくはコード、トニック、ドミナント、サブドミナントの記事を参照)



種類 性質
トニック 安定感
ドミナント 不安定感
サブドミナント どっちつかず(中立感)
ノンダイアトニックコード 変化


曲中に出てくるコードはこの4種類のうちどれかの性質をもっています。

この性質をもっているという点は、どんな曲でも(どのスケール(キー)でも)当てはまる法則なので、覚えておくと色々と便利です。


さて、何がいいたいかというと、コードというものはただ闇雲に並べるもの ではないということです。

この4種類のコードの性質を考慮しつつ、コードを並べていきます(例外はあります)

これは闇雲にコードを並べるよりも、コードの性質を考慮して並べた方が、曲を効果的に展開することができるためです。


今までの話を整理すると、コード進行という言葉は、コードが持つ性質(トニック、ドミナント、サブドミナント、ノンダイアトニックコードがどう並んでいるか、という意味合いで用いられることが多いです。


下のスコアを見てください。



A、B、Cの3つのセクションから構成される曲のスコアです。

セクションAは1小節目から8小節目まで。セクションBは9小節目から16小節目まで。セクションCは17小節目から34小節目までで、セクションCがサビのイメージです。


五線譜の上に書かれているアルファベットがコードとなります。

そして特定のコードの上に書かれている赤字の(T)(D)(S D)はそれぞれトニック、ドミナント、サブドミナントを示しています。


16小節目を見てください。サビのセクションCへ行く直前の小節です。

ここのコードは Dmコード Gコード となっています。

そしてセクションCの17小節目の最初のコードは Cコード です。

つまりサビ直前からサビ突入のコードの並びはDmコード→Gコード→Cコードとなっているわけです。

これらのコードを、コードが持つ性質という視点から眺めてみると、サブドミナント ドミナント トニックとなります。

このサブドミナント→ドミナント→トニックというコードの動きは、コードの性質の並びの中でも、 特に曲に展開感を生み出す並びなのです。

特に Ⅱm→Ⅴ→Ⅰ (ローマ数字でのコードの表し方に関してはアナライズを参照してください)のコードの並びは、 ドミナントモーション 詳しくはドミナントモーションの記事を参照してください )といわれ、 強い進行感を生み出します。

ここで出てくる「コードの並び」こそが「コード進行」のことを指します。


このようにコード進行という言葉は、こういったコードの性質を考慮したコードの並びのことを指していうことが多いです。

『サビの前だから進行感がある『 コード進行 』にしたいな〜そうだドミナントモーションを使おう!』ってな感じで使います。


別の部分を見てみましょう。

7小節目と8小節目を見てください。

ちょうどセクションAが終わる部分で、9小節目からセクションBが始まります。

ここのコードの並びは Fコード→Gコード→Amコード となっています。

コードの違いはあるものの、 コードの性質的にはサブドミナント→ドミナント→トニックというコード進行になっています。

つまりコードの性質的には先程と同じように、曲に展開感を生み出すコードの並びとなっています。

しかし今回の例は、コードの展開感が8小節、9小節内で収まっていて、9小節目から始まるセクションBをまたがない形となっています。

セクションの終わりがトニックで終わるコードの並びは、安定的で穏やかに終わっていく特徴があります。

ここのコードの並びに対しては『セクションAの終わりは展開感を出してセクションBに繋げるより、トニックで穏やかに終わりたいな〜なら8小節目をサブドミナント→ドミナントにして、9小節目をトニックでおわるような『 コード進行 』にしよう』ってな感じで使います。


以上のことから、コードの性質がどう並んでいるかという点で『コード進行』という言葉が使われることがわかって頂けたと思います。

ただ『コード進行』という言葉は非常に抽象的な言葉なのです。

最初に述べたように、単にコードの並びを説明しているだけのことも多々あります。

会話の中で『コード進行』という言葉が出てきたら、その意味は文脈から判断する必要があるのです。



ソロギターでコード進行を語るとなると…何でしょうね?笑

そこまで重要視されていないような印象を受けますね。

実際出版されているスコアにも、コードが載っていない場合も多々あります。

(そういう私が作るスコアにも載ってなかったりしてます笑すみません!本当は載せるべきなのはわかっているんですが、めんどくさくて色々と事情がありまして…改善点ですね)

実際の所、コードがスコアに載っていなくても、ソロギターはTAB譜が読めれば演奏することができます。

つまり、コード進行がわからなくても演奏には全く影響がないと言えます!

そこがソロギターのいい所なのです!

五線譜が読めなくても、コードがわからなくても、TABが読めれば誰でも弾くことができる!

なんて素晴らしいんでしょう!

しかし、コード進行に限らず、簡単な音楽の知識はあって損はないですね。

例えば『運指を覚える時にコード進行の知識があれば、手助けになる!』

下の画像をを見てください。



2小節目から3小節目までのコード進行を見てください。

コードはF→G→C→F→G→Amという並びになっています。

コードが変わるに従って、運指もコロコロと変わっていきます。

この運指を丸暗記で覚えることもできますが、 コード進行の知識があれば暗記の手助けになります。


2小節目から3小節目までのコード進行はサブドミナント→ドミナント→トニックコード進行が2回繰り返されています。

違いは最後のトニックがCコードかAmコードかの違いだけなんです。

CコードかAmコードの違いに関しては、明るい感じで安定するか、暗い感じで安定するかの違いがあります。

こういった部分に関しては、私の場合ですと 『最初のトニックは明るく安定、最後のトニックは暗く安定する』と曲の流れとセットで紐付けして覚えています。

そうなると、単純に覚えなければならないのは、 1小節目のAmとGの運指だけということになります。

このようにコード進行の知識があれば、運指を理論的に導くことができるので、運指を覚える手助けとなるのです。


まとめ

コードが複数個並んだもののことを指すが、 具体的にはコードの性質がどう並んでいるか、という意味で使われることが多い!

抽象的な言葉なので、意味は文脈から判断する。