ダイアトニックコード
ざっくり説明
ある特定のスケールの音のみを使って構成されたコードのこと。
1つのスケールに対して14種類のダイアトニックコードある。
ソロギターでは必須の知識ではないが、知っておくと色々便利!
作曲やアレンジを考えている人は絶対必須の知識!
がっつり説明
先述のダイアトニックコードの意味の説明の中で、『ある特定のスケールの音』と表現しましたが、これは 『ある特定のキー(key)』と言い変えて考えると理解しやすいかと思います(厳密には違いますが … )
では、Cキーを例に音の並びを見てみましょう。
Cキー:ド レ ミ ファ ソ ラ シ
大変よく見たことある並びですね!
『ダイアトニックコード』とは、上記のような7つの音を『決められた法則に従って組み合わせて作られたコード』なのです。
では『決められた法則』について説明します!
ダイアトニックコードを構成する音の組み合わせの法則は『3度音程を積み重ねる』です。
3度音程を積み重ねる…?
急に難しく感じたかもしれませんが非常に単純な話なのでご安心を!
CコードとDmコードを例に説明します!
まずCコードの構成音から見てみましょう。
Cコードの構成音はC(ド)E(ミ)G(ソ)です。
ここで 画像を見てください。
ドから数えてミは何番目の音でしょうか?
ミから数えてソは何番目の音でしょうか?
答えは 『3番目』 なんですね!(察しがつきますよね…笑)
Dmだと構成音はD(レ)F(ファ)A(ラ)です。
こちらも画像で確認して頂ければわかりますが、3度音程を積み重ねています。
3度音程を積み重ねるとはつまりこういうことなんです!
ドからシまでの7つの音それぞれを中心にこの法則でコードを作ると、以下の7つのコードが出来上がります!
上の画像のコードのように、 3度音程を『3つ』重ねたものを『三和音(トライアド)』といいます。
こちらは4つ重ねたコードです。
上の画像のコードのように、 3度音程を『4つ』重ねたものを『四和音(テトラッド)』といいます。
Cキーのダイアトニックコードは以上の14種類が基本となります。
この法則は他のキーでもそっくりそのまま当てはまります。
試しに幾つかのキーのダイアトニックコードを調べてみると良いかと思われます。
ソロギターを演奏する上で、ダイアトニックコードの知識が必須というわけではありません。
しかし、作曲やソロギターアレンジをやってみたい!と思っている方には必須の知識となります。
というのも、 世の中にはたくさんの曲があるわけですが、どの曲も曲中で出てくるコードの約70%はダイアトニックコードでできています。
もっと言えばダイアトニックコードのみで構成される曲も世の中にはたくさん存在しています。
このような現状を踏まえて考えると、やはりダイアトニックコードは曲を作ったりするのに必要な知識なんだな〜と思っていただけると思います。
デタラメに作曲しても感性で曲を作ることはできますが、ダイアトニックコードの知識があれば、取っ掛かりがよかったり、注意すべき点が見えてくるのは確かですね。
下のスコアを見てください。
この曲をソロギターアレンジするとします。
Cキーでコード進行はF→E7→Amとなっています。
ここで先程のCキーのダイアトニックコードをみてみましょう。
三和音 |
C |
Dm |
Em |
F |
G |
Am |
Bm(♭5) |
四和音 |
Cmaj7 |
Dm7 |
Em7 |
Fmaj7 |
G7 |
Am7 |
Bm7(♭5) |
コード一覧とスコアのコード進行を見比べてみて、何か感じませんか?
そうですっ!
E7コードがダイアトニックコードの一覧に載っていないですね!
ダイアトニックコードに従うなら、E(ミ )の音を中心に積み上げられたコードはEmあるいはEm7のはずですよね?
じゃあスコアが間違っているの?誤植?
とんでもないです!いいんです!これでっ!
さきほど触れた通り、 曲はそのキーのダイアトニックコードを中心に作られますが、ダイアトニックコードではないコードも使われるのです。
これを『ノンダイアトニックコード』と言われます。
この『ノンダイアトニックコード』が出てくる部分には、アレンジする際注意が必要です。
例えば今回の曲を以下のようにソロギターアレンジしたとしましょう。
問題のE7コードの部分を見てみましょう。
E7コードでなっているメロディーE(ミ)の音ですね。
それに対して伴奏音でE(ミ)B(シ)D(レ)の音を使っています(がんばって五線譜を読んでね!)
一見これで良さそうに見えますが、実はあまり良くありません。
理由はE7なのかEm7なのか音を聞いただけでは判別できないからです。
二つのコードの構成音を見てみましょう。
E7コードの構成音はE(ミ) G#(ソ#) B(シ)D(レ)
Em7コードの構成音は E(ミ) G(ソ) B(シ)D(レ)
二つのコードの違いは G#(ソ#)と G(ソ)の違いだけです。
さて、E7かEm7か判断できないことの何が問題なのか説明しましょう。
そもそもノンダイアトニックコードを使う理由は『曲中違った流れを作り出す』というのが私の解釈です。
ここで上のスコアのように、二つのコードの違いを決定づける音が出てこないアレンジをしてしまうと、 E7が持つノンダイアトニック感が薄れてしまうんですね。
そうすると原曲ではあった『違った流れ』を十分に生かすことが難しくなってしまうのです。
そこで以下のようにすると良いと思います。
伴奏のD(レ)をG#(ソ#)に変えてみました。
元のE7コード感を十分に生かすのであれば、やはりE7とEm7のコードの違いを決定づける、E7の構成音のG#を入れた方が効果的です。
この辺りのアレンジの判断は、ダイアトニックコードの知識がないとできない所になります。
まとめ
ダイアトニックコードとはある特定のスケールの音を3度音程で重ねたコードのこと!
ダイアトニックコードは作曲アレンジの基礎となる知識なので重要!
単にソロギター弾いて楽しみたいぜ!の人は知らなくてもオーケー!