平行調



ざっくり説明

楽譜表記や理論的な解釈として、ある特定のメジャーキー(長調)と、ある特定のマイナーキー(短調)を、同じキー(調)として扱うという考え方。

平行調の関係にあるメジャーキーとマイナーキーは、構成するスケールの音が全て同じ。

同じ調号を使う。


がっつり説明

平行調の説明をする前に、まずは『キー(調)』と『スケール(音階)』について知りましょう。

ざっくり説明すると以下のようになります。

用語

説明

キー(調)

基準となる音のこと。

例:Cキー→C(ド)

スケール(音階)

基準の音を中心に作られた音階のこと。

例:基準となる音C(ド)→Cメジャースケール→(ドレミファソラシド)


平行調を理解する上でこの二つの知識は不可欠です。

しっかりと把握しましょう!


では本題に入ります。

平行調とは、楽譜表記や理論的な解釈として、ある特定のメジャーキー(長調)と、ある特定のマイナーキー(短調)を、同じキー(調)として扱うという考え方です。


ではどういう条件で、特定のメジャーキーと特定のマイナーキーは平行調の関係だと判断するのか、という点について話していきます。

結論からいいますと、特定のメジャーキーと特定のマイナーキーを構成するスケールの音が全て同じであれば、平行調の関係にあると判断します。


CメジャーキーとAマイナーキーで説明します。

まずは下の表を見てください。

Aマイナーキー

Aナチュラルマイナースケール

ファ

Cメジャーキー

Cメジャースケール

ファ


上の表でも記されている通り、基準とする音が違うだけで、構成する音は全く同じです。

順番を入れ替えれば、AナチュラルマイナースケールでCメジャースケールを表すことができますし、その逆も成り立ちます。



楽譜を見て、『基準とする音が違うだけで、構成する音は全く同じ』という点を確認しましょう。

AナチュラルマイナースケールとCメジャースケールを楽譜上で表しました。

楽譜で記されている通り、基準となっている音はドとラで異なりますが、構成する音は全く同じです。


先の説明で、平行調の関係にあるメジャーキーとマイナーキーは同じ調として扱うという話をしました。

同じ調として扱う、という点からもわかるかと思われますが、 平行調の関係にある2つのキーは同じ調号を使います。 (調号については別の記事参照)


AナチュラルマイナースケールとCメジャースケールのように、全てのナチュラルマイナースケールは、特定のメジャースケールと平行調の関係にあります。

従って、特定のメジャースケールを覚えると、必然的に特定のマイナースケールを覚えたことになるのです。

下の平行調になっているメジャーキーとマイナーキーをまとめた表を作ったので確認してください。

ナチュラル

マイナースケール

平行調である

メジャースケール

Aマイナー

Cメジャー

Eマイナー

Gメジャー

Bマイナー

Dメジャー

F♯マイナー

Aメジャー

C♯マイナー

Eメジャー

G♯マイナー

Bメジャー

D♯マイナー

F♯メジャー

A♯マイナー

C♯メジャー

Dマイナー

Fメジャー

Gマイナー

B♭メジャー

Cマイナー

E♭メジャー

Fマイナー

A♭メジャー

B♭マイナー

D♭メジャー

E♭マイナー

G♭メジャー

A♭マイナー

C♭メジャー


まとめ

ある特定のメジャーキー(長調)と、ある特定のマイナーキー(短調)を、同じキー(調)として扱うという考え方。

基準とする音が異なるだけで、それぞれのキーを構成するスケールの音が全て同じである。

平行調にあるメジャーキーとマイナーキーは同じ調号を使う。