TAB譜

ソロギターを学ぶためにはTAB譜を学べ!

TAB譜は音を楽譜上に表す表現方法の一つです。

アコースティックギターやエレキギターなどのギター系のの楽譜には、五線譜とTAB譜が併記されているのが一般的です。もちろんソロギターの楽譜でも、五線譜とTAB譜を併記する形が基本形となっています。

ソロギター初心者の方は、とにかくTAB譜を読めるようにすることが何よりも重要になります。

このページではTAB譜の読み方、TAB譜(五線譜)で用いられるさまざまな記号、TAB譜の欠点について整理します。

TAB譜の読み方

TAB譜とは、五線譜で示された音を出すために、ギターのどの弦のどのフレットを押さえればいいのかを、ギターの指板を模した形で表現したものです。

TAB譜を理解するための重要なポイントは以下の3点です。

項目

説明

横線

横線は弦を表現しています。

1番上の横線が1弦を意味し、1番下の横線が6弦を意味しています。

数字

横線上の数字は、押さえるフレットを表しています。

例えば「5」であれば5フレットを押さえることを意味します。

また「0」はフレットを押さえないままに弾くことを意味します。
※フレットを押さえないで弾く弦のことを、一般に開放弦と呼びます。

棒・旗

数字についている棒(符幹)や旗(符尾)は、音の長さを表しています。

表現方法は五線譜と同様です。

例えば数字に棒だけが付いている場合は4部音符、旗が1つ付いていれば8部音符、旗が2つ付いていれば16部音符の長さであることを表しています。

旗や棒の向きでメロディ・伴奏を区別します。

  • 上向き:メロディパート

  • 下向き:伴奏パート

TAB譜を読んでみよう!

実際にTAB譜を見ながら、もう少し細かく確認していきます。

メロディパート

まずメロディパートから確認します。

下の図では、4つの数字に棒(符幹)と旗(符尾)が上向きに付いています(赤字の部分です)。これがメロディーパートです。

4つの数字には旗はついておらず、棒のみが付いています。

よってメロディパートの4つの音は、いずれも4部音符の長さであることがわかります。

そして今度は数字そのものに注目すると、最初の2つの数字が「0」、残りの2つの数字が「3」ですね。それぞれ上から3本目の横線と、上から2本目の横線の上に乗っかっています。

つまり前者が3弦のフレットを押さえない(開放弦)ことを意味し、後者が2弦の3フレットを押さえるということを意味しています。

以上をまとめると、4部音符の長さで3弦の開放弦を2回弾いた後、2弦3フレットを弾くということになります。

具体的にはこんなカンジです。

伴奏パート

次は伴奏パートです。

伴奏パートは棒(符幹)と旗(符尾)が下を向いている8つの数字です。

8つの数字には棒と旗が1つ付いています。

よって伴奏パートの8つの音は、いずれも8部音符の長さであることがわかります。

そしてTAB譜上の数字に注目すると、6弦(上から6本目の横線)に「5」と、4弦(上から4本目の横線)に「0」が交互に4回繰り返されています。

以上をまとめると、8部音符の長さで、6弦の5フレットと、4弦の開放弦を交互に4回繰り返し弾くということを示しています。

具体的にはこんなカンジです。

棒や旗がないTAB譜もある

私が作成するTAB譜は、上記の画像のように、棒(符幹)と旗(符尾)を付けています。

ただし世の中には付いていないTAB譜もあります。その理由は楽譜を作る際に使う楽譜作成ソフトの仕様であったり、出版社のデザインの都合であったりと様々です。

ですが個人的には、棒と旗はTAB譜にも付いているべきだと考えています。

それはTAB譜から目線を外す回数を減らすことができるためです。

確かに棒や旗がついていなくても、TAB譜上の数字によって、押さえるべき弦・フレットは判断できます。ですが音の長さに関する情報がないため、都度五線譜を見て確認する必要があります。

この視線をTAB譜と対応する五線譜の間で行き来させる運動は、かなりの集中力が必要なもので、長時間は続けづらく、練習の効率を下げる要因にもなり得ます。

みなさんに集中してソロギターを楽しんで欲しいという意図を持って、私はTAB譜にも棒と旗を付けています!

TAB譜がないと大変!

五線譜で示された音を出すために、ギターのどの弦の、どのフレットを押さえればいいかを表したしたものがTAB譜であるということは、先ほど記した通りです。

ではTAB譜がなかったらどうなるでしょうか?

さっそく具体例を見てみましょう。

下の画像の五線譜で示された音をギターを演奏したいとしましょう。どのようにフレットを押さえれば、五線譜通りの音が出せるかわかりますか?

五線譜で示されている音を出すためには、いくつか押さえるパターンが考えられます。下の表と照らし合わせてパターンを押さえるフレットのパターンを考えてみましょう。

どの弦の、どのフレットを押さえるべきかわかりましたか?

正解は以下の画像の通りです。


ギターには異弦同音といって、違う弦で同じ音が出るという特性があります。

指板の画像を見てください。

例えば、5弦3フレットと6弦8フレットは同じC音がでます。同じように、例えば2弦3フレットと3弦7フレットは同じD音がでます。

このように同じ音が複数の場所(フレット)で出せてしまうのです。

ですから五線譜で示された音を出すためには、ギターという楽器の性質上、いくつか押さえるべき候補はあり得ます。

しかし、理論上では五線譜上の音を出せるパターンがあったとしても、運指のことまで考慮すると、ベストなポジションはかなり限定されてしまいます。

都度五線譜から演奏可能な押さえるべきフレットの位置を探るという作業はとても労力がいることです。

そのような労力をかけず、ベストな位置を示してくれるツールとしてのTAB譜なのです。

TAB譜面の欠点

これまで記してきたように、便利なTAB譜ですが、TAB譜にも大きな欠点があります。

欠点とは、TAB譜で示されているフレットの位置を、どの(左)指で押さえれば良いかわからないという点です。

そこで、このTAB譜の欠点を解決するアプローチとして、ダイアグラム譜があります。