ソロギターアレンジ:『ONE』B'z
譜面動画
演奏動画
楽曲紹介
J-POPをソロギターで弾いてみようシリーズ、今回はB'zさんの『ONE』のサビをソロギターにアレンジしました。
『ONE』は1999年に発表された26枚目のシングル『ギリギリchop』のカップリング曲として発表されました。ハードな『ギリギリchop』とは打って変わって、『ONE』はしっとりしたバラードナンバーです。B'zといえば、ハードなロックというイメージが強いのですが、今回の『ONE』のようなミディアムテンポのバラードもいいですね!このサイトによりますと、B'zの数々のバラード楽曲の中で、『ONE』はベスト10入りしています。
この2つの楽曲はどちらも『名探偵コナン』のタイアップ曲として有名です。 『ギリギリchop』は6番目のOP曲として使用されましたし、『ONE』は劇場版『世紀末の魔術師』の主題歌として使用されました。 Wikipediaによりますと、コナンで使用されたOP楽曲の中で、シングル売上歴代1位を記録したほどの人気です。
さすがB'zさんですね!
今回、『ONE』をソロギターアレンジしようと考えたきっかけは、やはり前述の『世紀末の魔術師』です。2019年3月22日にテレビで実に4回目の再放送がされました。たまたまテレビ番組表を眺めていて、偶然再放送されることを知り、懐かしくなってアレンジする運びとなりました。
まだ幼い頃、VHSにテレビ放送版を録画し、何度も『世紀末の魔術師』を見返したことを覚えています。普段30分で終わってしまうコナンが、約2時間も楽しめるという特別感を味わっていたかったのかも知れません。あるいは幼いながらに、コナンやキッドのようになりたいという憧れがあったのでしょうか。
今、当時を思い返してみると、同じ作品を何度も鑑賞することに「飽き」を全く感じませんでした。当時は他に大した娯楽がなかったという理由もありますが、文字通り純粋に作品を楽しんでいた気がします。それに対して歳を経た最近は、効率性を重視するあまり、他の作業中に「流し見」したり、「倍速見」したりしがちで、まして一度見た作品を見返すということは、本当に稀になってしまいました。当時と今とで、一体私の何が変わったしまったのか、少しノスタルジックな気分になりました。
先述の『世紀末の魔術師』の再放送ですが、本当に残念なことに、時間枠の都合上、『ONE』のEDが丸ごとカットされてしまいました…。映画作品をテレビ放送する際によく採用される手法ですが、ソロギターアレンジした経緯上、今回のカットは非常に残念でした。EDもしっかり見たいという方は、Huluで配信されているというCMをやっていましたので、ノーカットで見たい方はどうぞ!
演奏解説
全体解説
サビ部分だけなので短めであることに加え、特別なテクニックはスライドのみで、ほぼアルペジオのみの構成です。テクニックが多用されていないため、一見簡単そうですが、切れ間なく弾くベース音が難しいかもしれません(4小節目、7小節目、8小節目など)。また装飾音符や三連符もありますので注意が必要です。
8ビートでベース音を多めに配置する構成のアレンジは今までやったことがなく、演奏もあまりしたことがありませんでした。そのため、ある意味、挑戦的・実験的な内容となりました。個人的な感想としては、メロディーラインの演奏は、歌ものということもあり小難しいですね。
テクニック解説
テクニック |
記号 |
解説 |
スライド |
s |
弦を弾いた後、そのまま押さえている指を移動させて音を出すテクニックです。 詳しくは基本解説:スライド・グリッサンドをご参照ください。 3小節目、7小節目に使われています。 |
※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。
ポイント解説
1小節目 譜割り
譜割りに注意してください。
2拍目フレーズはベース音を含めると、動作的には16音符を2つ鳴らした後に8部音符を弾きます。前2つの16部音符の動作につられて、8部音符が短くならないように注意しましょう。
4拍目ウラから2小節目1拍目オモテのフレーズも同様です。前2つの16部音符の動作につられて、8部音符が短くならないように注意する必要があります。
2小節目 譜割り
メロディーの譜割りに注意してください。少々細かくて小難しいです。特に2弦1フレットC音を3回弾く1拍目ウラから2拍目オモテのフレーズは、同じ弦を3回弾きます。
1拍目裏から2拍目表のウラのフレーズは、16部音符を3つ鳴らした後に8部音符を弾きます。4つの音を前から順番に弾くと、右手の動きは人差し指、人差し指、人差し指、中指という流れで弾くのが基本です。しかし動作に指が追いつかない場合は、右手の人差し指と中指を使って交互に弾きましょう。
該当箇所は2拍目オモテまでなのですが、3拍目オモテまで交互に弾いた方が、通常の弾き方に戻しやすいかと思われます。
3小節目 スライドと装飾音符
3小節目にはスライドと装飾音符が登場します。
装飾音符とはスラッシュが入った小さな音符のことです。装飾音符は指定された音を、ごく短い間鳴らします。そして装飾音符は拍数にカウントしません。
動作的には難しくありません。3拍目裏で2弦5フレットE音と5弦開放弦A音の音を出しますが、2弦の弾き始めは2弦3フレットD音です。2弦3フレットD音を鳴らした直後、2弦5フレットEへ移動させればいいのです。
詳しくは動画を参照して頂ければ非常にわかりやすいかと思います。
なお7小節目にも、このパターンでスライドと装飾音符が登場しますが、同様に演奏してください。
4小節目 切れ間のないベース音
切れ間がないベース音を弾いていきます。
切れ間なくベース音を弾きつつ、メロディーも弾くのは慣れないと難しく感じるでしょう(そういう私も慣れてない(汗))ここはコツや、やり方を学ぶというより、メトロノームに合わせてひたすら練習するしかありません!
練習しましょう!
5小節目 譜割り
メロディーの譜割りに注意してください。2小節目と同様、譜割りが小難しいです。
2拍目表のウラから3拍目表のフレーズは、16部音符を3つ鳴らした後に4部音符を弾きます。4つの音を前から順番に弾くと、右手の動きは中指、中指、人差し指、人差し指という流れで弾くのが基本です。しかし動作に指が追いつかない場合は、2小節目と同じように、右手の人差し指と中指を使って交互に弾きましょう。
6小節目 譜割り
メロディーの譜割りに注意してください。2小節目と5小節目と同様、譜割りが細かいため、難しく感じるかもしれません。
1拍目オモテからウラのフレーズは、5小節目4拍目ウラのウラの16部音符を含めると、16部音符を3つ鳴らした後に8部音符を弾きます。4つの音を前から順番に弾くと、右手の動きは中指、人差し指、人差し指、人差し指という流れになります。しかし16部音符の動作に指が追いつかない場合は、2小節目や5小節目と同じように、右手の人差し指と中指を使って交互に弾きましょう。
また1拍目の最後の音は8部音符なので、前の16部音符の動作につられて、8部音符が短くならないように注意しましょう。
6小節目 3連符
2拍目は3連符です。
1拍の中に均等な長さの音を3つ鳴らす必要があります。メトロノームなどを使って練習しましょう。
8小節目 ベース音
ベース音の8部音符を8回弾きます。これはつまり切れ間なく、一定の間隔でベース音を弾き続けることになります。1拍目から2拍目は6弦開放弦D音を、3拍目から4拍目は6弦5フレットG音を弾きます。
メロディーの譜割りが16部音符になっている部分に注意しましょう。
特にベース音を弾かない16部音符のメロディーの部分は要注意です。メロディーの動きにつられてベースを弾いてしまったり、あるいはベース音を弾き忘れたり、メロディーがテンポからずれてしまいがちです。