ソロギターアレンジ:『グリーンスリーブス』
ソロギターTAB譜
演奏動画
楽曲紹介
民謡をソロギターで弾いてみようシリーズ、今回は『グリーンスリーブス』をアレンジしてみました。
『グリーンスリーブス』はイングランド民謡です。Wikipediaによりますと、作者や起源は不明とされています。一説によりますと、エリザベス朝(1558〜1603年ごろ)に生まれたとされていますが、はっきりとしていません。
『グリーンスリーブス』という言葉の意味は、実ははっきりしていないそうですよ!直訳すると「緑の袖」ということになりますが、これはヘンリー8世の恋人だったアン・ブーリンを意味していると解釈されることが一般的です。ただし諸説あり、例えば緑が暗示するものに性的な意味があるため、売春や不倫相手であるとする説や、当時緑色が持っていた「死」のイメージから、死んでしまった恋人であるとする説まであります。有名な曲なのにも関わらず、タイトルの由来がはっきりしていないという点は、民謡ならではという感じがして面白いですね!
『グリーンスリーブス』は多くのアーティストに愛されています。出生地であるイングランドでは、若き日のジェフ・ベックらがインスト曲として発表しています(『Truth』)。またイングランドに留まらず、全世界のアーティストからも愛されています。日本のアーティストとしては本田美奈子さんの2003年に発表された『AVE MARIA』にて発表しています。そしてソロギターアレンジとしては、あの押尾コータローさんの『COLOR of LIFE』にも収録されています!
演奏解説
全体解説
1コーラス分をアレンジしました。譜面にして約3ページ分で、演奏時間も1分半程度を想定しています。
ただし今回はライトハンドのエチュードを意識しておりまして、セオリー通りのアレンジというワケではありません。
そういった事情があるため、運指に関してはわかりづらいポイントがあるかもしれません。運指で不明な部分がありましたら、ダイアグラム譜を参考に確認してください。特にライトハンドの運指部分は要チェックです。※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。
今回のような一風変わった『グリーンスリーブス』も新鮮で良いのではないでしょうか。
テクニック解説
テクニック |
記号 |
解説 |
ハンマリング |
h |
ハンマリングは1度弾いた弦を左手の指ですばやく押さえて音を出す奏法のことです。 詳しくは基本奏法:ハンマリングをご参照ください。 |
プリング |
p |
弦を押さえている指を放す際、押さえていた指を引っかけて音を出す奏法です。 詳しくは基本奏法:プリングをご参照ください。 |
レフトハンド |
L.H. |
右手で弦を弾かずに、左手だけでハンマリングやプリングする奏法です。 詳しくは特殊奏法:レフトハンドをご参照ください。 |
ライトハンド |
R.H. |
右手だけでハンマリングやプリングする奏法です。 詳しくは特殊奏法:ライトハンドをご参照ください。 |
各小節の解説
3小節目・11小節目
3小節目と11小節目は同様です。ライトハンドとレフトハンドを同時に使用します。
ライトハンドではメロディパートを演奏します。
ライトハンド部分は以下の手順で演奏します。
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1弦7フレットを右手人差し指でハンマリングする
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右手人差し指は7フレットを押さえたまま、4弦を右手親指を弾く
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7フレットを押さえていた人差し指を離し、1弦9フレットをハンマリングする
-
9フレットから7フレットまで人差し指をスライドさせる
レフトハンドでは伴奏パートを演奏します。
ライトハンドで1弦7フレットをハンマリングするタイミングで、6弦3フレットを左手人差し指でハンマリングします。
ポイントは1小節中(4分音符3つ分)、左手を離さないことです。ライトハンドと並行しての作業ですので、押さえが甘くならないように注意しましょう。
15小節目・31小節目
15小節目と31小節目は同様です。ライトハンドとレフトハンドする箇所です。
ライトハンドでメロディパートを演奏します。
ライトハンド部分は以下の手順で演奏します。
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2弦4フレットを右手人差し指でハンマリングする
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右手人差し指でハンマリングした状態で、左手人差し指で4弦1フレットを押さえ、右手親指で4弦を弾く
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左手小指で2弦2フレットを押さえ、その状態で項番1でハンマリングした右手人差し指でプリングする
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プリングして離した右手人差し指で2弦4フレットをハンマリングする
レフトハンドで伴奏パートを演奏します。
左手中指で5弦2フレットをハンマリングで弾きます。3小節目・11小節目と同様に、1小節分の長さを出す必要がありますので、左右の手の運指の最中に押さえが緩まないように気をつけてください。
18〜19小節目・26〜27小節目
18〜19小節目と26〜27小節目は同様です。こちらもライトハンドとレフトハンドする箇所です。
他の箇所と同様に、ライトハンドでメロディパートを演奏することになります。
ライトハンド部分は以下の手順で演奏します。
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1弦10フレットを右手人差し指でハンマリングする
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右手人差し指はハンマリングした状態で、右手親指で4弦と3弦を弾く
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再び1弦10フレットを右手人差し指でハンマリングする
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同じく右手人差し指はハンマリングした状態で、右手親指で4弦を弾く
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ハンマリングしていた右手人差し指を離し、今度は1弦9フレットを右手人差し指でハンマリングする
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9フレットをハンマリングしていた右手人差し指を、1弦7フレットまでスライドさせる
レフトハンドでは伴奏パートを演奏します。
左人差し指で6弦3フレットを2回、ハンマリングします。他の箇所と同様なのですが、いずれも1小節分伸ばす必要がありますので、しっかり押さえましょう。