ソロギターアレンジ:『どんぐりころころ』
ソロギターTAB譜面
演奏動画
楽曲紹介
童謡をソロギターで弾いてみようシリーズ、今回は『どんぐりころころ』をソロギターにアレンジしました。
『どんぐりころころ』は作詞:青木存義さん、作曲:梁田貞さんで大正時代に作られました。『どんぐりころころ』はご存知の通り、非常に多くの方に親しまれていて、金田一春彦氏から『ぞうさん』、『赤とんぼ』と並んで三大童謡と評されています。(WIkipedia)
誰でも一度は歌ったことがあるはずの『どんぐりころころ』ですが、今回、ソロギターアレンジをするにあたって、改めて歌詞を眺めていたところ、間違えて歌詞を覚えていたことに気づきました。今まで「どんぐりころころ どんぐりこ」と歌っていたのですが、正しくは「どんぐりころころ どんぶりこ」なんですね。私のように間違って歌っていた方、以外と一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
今回、2番の歌詞があることを初めて知りましたね。童謡にありがちですが、1番を歌って満足してしまうパターンだったのかもしれません。1番で出会ったドジョウと仲良く遊んでいたところ、ホームシックになって山に戻りたがる内容ですが、1番とはだいぶ印象が違いますね。童謡でありながら、坊ちゃん(どんぐり)が泣いてドジョウを「困らせた」で歌が終わってしまうわけですから、他の童謡とは一線を画す感じですね。
さらにWikipediaを眺めていると「幻の3番」の存在について見ました。「幻の3番」に相当する歌詞はいくつかあるようですが、青木さんが作詞された原曲とは無関係のようですね。まず1986年に作曲家の岩河三郎さんが3番を付け足したバージョンを発表しています。岩河さんバージョンですと、泣いてしまった坊ちゃんを友達リスがお山に帰してあげる内容になっていて、ハッピーエンドな仕上がりです。また2002年に荒木とよひささんが3番と4番を作成されています。荒木さんバージョンですと、泣いている坊ちゃんを助ける役がお母さんとなっています。他にも多くのバージョンがあるようですが、いずれのバージョンでも泣いている坊ちゃんを迎えに来てくる存在が登場します。やはり帰れなくて泣いたままで歌が終わってしまうのでは、坊ちゃんが救われないですからね。みんなハッピーエンドが好きですからね。
さて今回のソロギターアレンジですが、少しトリッキーなアレンジとなっています。というのもネイルアタックのエチュードを意識してアレンジしたためです。ちょっとテクニカルな仕上がりになりましたが、ネイルアタックを入れることによって、リズム感が強調されて新しい『どんぐりころころ』といった感じに落ち着きました。
演奏解説
全体解説
楽曲紹介でも書いた通り、ネイルアタックが主役のアレンジとなっています。
ネイルアタックは1小節目〜6小節目の2拍目と4拍目、7小節目の2拍目に使われています。ネイルアタックはメロディ音と伴奏音とでネイルアタックの仕方を変えて演奏することによって、より完成度の高い演奏をすることができます。2種類のネイルアタックについてはこちらをご確認ください。
メロディ音と伴奏音のネイルアタックを色分けしてみました。赤い×がメロディ音として出すネイルアタック、青い×が伴奏音として出すネイルアタックです。参考にしてください。
ネイルアタックに慣れていない方、もしくは『ようやく動作ができるようになったのに使い分けとか無理!』という方は、気にせず弦にバンっバンっネイルアタックをしちゃってください!
まずはそこから慣れましょう!
ネイルアタック以外の特殊奏法としては、7小節目と8小節目にストロークが使われています。今回のストロークは指を引き下ろすだけなので、動画を参考にしてトライして頂ければ演奏の障害にはならないでしょう!(できる!あなたならできる!!)
そもそも『ネイルアタックだりぃ・・・』『むりむり!絶対できない!』という方はネイルアタックなしで弾いてみましょう!
ネイルアタックなしでも、アルペジオ構成の曲として成立します!
まずは楽しむことが肝心!!
テクニック解説
テクニック |
記号 |
解説 |
ネイルアタック |
× |
右手の爪を弦に当てて、アタック音を出す奏法です。 詳しくは特殊奏法:ネイルアタックをご確認ください。 |
ストローク |
↑↓ |
人差し指と中指(または中指と薬指)などで複数の弦をまとめて鳴らす奏法です。 詳しくは特殊奏法:ストロークをご確認ください。 |
※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。
ポイント解説
メロディ音を出すネイルアタック
1・2小節目、4〜7小節目まで2拍目に3弦4フレットB音を出すネイルアタックをします。
ここではダイアグラム通り、直前に押さえていた2弦3フレットD音を押さえていた人差し指を放します。3弦2フレットを押さえている中指で2弦に軽く触れてミュートします。1弦は人差し指と薬指の付け根の辺りで軽く触れてミュートするとよいでしょう。
4小節目だけ直前の押さえ方が1弦3フレットG音で、フォームが異なりますが、ミュートの仕方は同様です。
また2弦開放弦に関しては、メロディ音と伴奏音が同じBなので鳴ってしまっても構いません。ただネイルアタックの勢いや角度によっては1弦開放E音が鳴ってしまう可能性があるので、そこは注意が必要です。
1小節目と5小節目は4拍目でもネイルアタックでメロディ音を出します。
ここのミュートは3弦2フレットA音を押さえている人差し指を少し倒し気味を押さえて、1弦2弦に軽く触れてミュートします。
3小節目の2拍目3弦4フレットB音を出すネイルアタックですが、ここのネイルアタックは2弦3フレットD音を押さえている人差し指で1弦に軽く触れてミュートします。
3弦開放G音は、コードの構成音なので別に鳴ってしまっても構いませんが、可能であれば鳴らさないように1弦2弦を狙ってネイルアタックをするのがベターです。
伴奏音を出すネイルアタック
2・3・4・6小節目の4小節目では伴奏音のネイルアタックをします。
いずれのネイルアタックもフォームに気をつけてください。フォームが崩れてしまうと、コードトーン以外の音が鳴ってしまう可能性がありますので、フォームの維持に努めてください。
伴奏音でのネイルアタックのコツですが、狙う弦に対して出来るだけソフトに当てることを心がけましょう。デコピンの要領で当てるというより、爪の先で撫でるイメージで弦に当てる感覚でやってみてください。