ライトハンドとは、ソロギターにおける特殊奏法の1つです。文字通り左手を使わず、右手だけで音を出します。

このページでは、ライトハンドの概要、譜面上の表記、エチュードを使った練習、そして実際の楽曲『グリーンスリーブス(Greensleeves)』を演奏してみましょう。

なお以降の解説は右利き用ギターを想定して解説しており、左手で弦を押さえ、右手で弦を弾くものとします。

ライトハンドは左手で弦を弾かずに、右手だけでハンマリングやプリング、スライドなどを行う奏法です。基本奏法では右手は弦を弾くためだけに用いますが、ライトハンドは右手をネック付近まで移動させることになりますので、まさに特殊な奏法と感じることでしょう。

ライトハンドに対して、もう少し具体的なイメージを持ってもらうために、以下の画像を用意しました。

左のスコアがR.H.（ライトハンド）表記のフレーズです。そして右のスコアが、R.H.表記が示している具体的な右手の動きになります。h（ハンマリング）・p（プリング）・s（スライド）で表現されていることが確認できます。

このようにレフトハンドはハンマリングやプリング、スライドといったテクニックを、右手で演奏するテクニックであることがお分かりいただけたかと思います。

楽譜上では前述の通り、『R.H.』で表記される場合が多いです。

『R.H.』は上の画像の通り、該当箇所の音符の上やフレーズの付近に設置されます。

ライトハンドは以下の流れで音を出します。

1. 開始点の数字のフレット位置で右手でハンマリングする。

2. ハンマリングした位置で右手でプリング、スライドする。

3. 以降はTAB譜に従い、プリングやハンマリング、スライドを右手のみで演奏する。

ライトハンドで注目すべきポイントは「右手のみを使って演奏する」という点です。つまり右手のみを使って楽譜で指定された音を出せば何でもいいのです。

ライトハンドの楽譜上の表記は、先ほどの画像のように『R.H.』の記号のみ表記され、具体的にどのような動作をすれば良いかという点については、特別な表記を除いて詳しく指示されないことが一般的です。つまりライトハンド箇所をどう演奏するかは、演奏者に委ねられていると考えていいでしょう。 

しかし、もしライトハンドが用いられている曲を完コピしたいのでしたら、原曲をよく聴いて、ハンマリング・プリング・スライドを判断する必要があります。

さっそく譜面通りにライトハンドをやってみましょう。まず五線譜・TAB譜・ダイアグラム譜を見ると、3つの音を出すことが読み取れます。※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちら

そして3つの音の上に『R.H.』が表記されていることも読み取れます。このように『R.H.』はライトハンドで演奏する範囲上に表記されます。TAB譜の該当箇所の番号は「5」ですので、右手で5フレットをハンマリングすることも読み取れます。またダイアグラム譜の「i」は人差し指を示しています。

以上をまとめると、以下の表と図に整理されます。

項番	音の長さ	押さえる位置	押さえる指(左手)	弦を弾く指(右手)
1	全音符	4弦5フレット 5弦5フレット 6弦5フレット	なし	人差し指 （ハンマリング）

チューニングはDrop D(DADGBE)です。動作的には複数弦同時にハンマリングするイメージです。4〜6弦の5フレットを、右手の人差し指の側面で強めに押さえましょう。押さえた時に音が鳴ります。

動画を参考にして、ライトハンド(ハンマリング)で音を出してみましょう。

このようにライトハンドは、左手で弦を押さえずに、右手だけでハンマリングやプリング、スライドなどを行う奏法です。

前項ではライトハンドの説明のために、1音だけライトハンド（ハンマリング）を弾いてみましたが、今度はもう少し長く弾いてみましょう。

ライトハンド練習として、1小節分を弾いてみましょう。

今回のポイントは以下の4点です。

1拍目はハンマリングとプリングで表現します。

まず6弦3フレットを右手人差し指でハンマリングします。その後、右手人差し指で6弦開放弦をプリングして音を出します。

2拍目はハンマリングとスライドを使います。

まず6弦5フレットを右手人差し指でハンマリングして、その後、右手人差し指を6弦7フレットへスライドさせます。

3拍目もハンマリングとプリングです。

弦は変わりますが、1拍目と同様の動きですね。まず1弦3フレットを右手人差し指でハンマリングした後、右手人差し指で1弦開放弦をプリングします。

4拍目もハンマリングとスライドです。

2拍目と同じ動きです。右手人差し指で1弦5フレットをハンマリングした後、右手人差し指を1弦7フレットへスライドさせます。

今度はエチュードを使ってライトハンドを練習しましょう。

ライトハンドのエチュードですが、メロディーパートをレフトハンドで弾き、伴奏パートをライトハンドで弾きます。ライトハンドの使用例として、本エチュードのようにレフトハンドでメロディーを、ライトハンドで伴奏を弾くというパターンは、割とスタンダードです。例えば押尾コータローさんの『戦場のメリークリスマス』で同様の演奏がなされていますね。

1小節目の1拍目オモテの1弦5フレットA音は、左手人差し指でハンマリングして音を出します。次の1拍目ウラの1弦開放弦E音は、1拍目オモテで押さえていた人差し指でプリングして音を出します。1小節目の残りはこの動作(人差し指でハンマリングとプリング)の繰り返しで音を出します。

2小節目も1小節目と動作的には同じです。1拍目オモテは、左手人差し指で1弦7フレットをハンマリングします。その後の1拍目ウラの1弦開放弦E音は、ハンマリングしている人差し指でプリングします。後はハンマリング・プリングを繰り返しです。

1小節目の1拍目4〜6弦7フレットA・E・A音は、右手人差し指でハンマリングして出します。3拍目4〜6弦開放弦D・A・D音は、1拍目でハンマリングしていた人差し指をプリングして音を出しましょう。

2小節目の1小節目と同様の動きです。1拍目4〜6弦9フレットB・F・B音は、右手人差し指でハンマリングします。その後の3拍目は1拍目で押さえていた人差し指でプリングして出します。

いよいよライトハンドを使って、既存の楽曲を演奏してみましょう！前項と同様に、ライトハンドとレフトハンドを併用する形で演奏します！

動画の再生速度ですが、調節することができます！

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詳しくは こちら をご覧ください。

ライトハンド・レフトハンドのエチュードをイメージしたアレンジですが、アルペジオが中心となっておりますので、比較的演奏しやすいのではないでしょうか。ライトハンド(レフトハンド)の性質上、言葉で解説することが難しい部分が多いため、動画を参考にしていただけると幸いです。

楽曲の詳細な解説はこちらをご覧ください。