チューニング

チューニングとは?

アコースティックギターは弦楽器ですから、各弦の音を適切な高さに調整する必要があります。この「弦の音の高さを調節すること」をチューニングと呼びます。

チューニングのやり方(チューナーの使い方)

チューニングにはチューナーと呼ばれる器具を用いることが一般的です。以後、クロマチックチューナーを使用してチューニングする方法をご紹介します。

チューナーについては『ソロギターの道具』をご覧ください。

チューナーのセット

まずチューナーをセットします。

例えば私が愛用している「KORG PITCHCLIP PC-1」はギターのヘッド部分に挟むタイプです。一般的なチューナーの画面には、下図のように現在の音の高さが文字とメーターで表されます。

チューナーの画面には、現在の音の高さが文字やメーターで表示されます。

ペグの操作

チューニングは各弦の音の高さが所定の高さになる(メーターの中央に針が振れる)ようになるまでペグを操作する作業です。

弦を正しく張っている場合の、ペグの操作と音の高低を整理します。

時計回り 反時計回り

1~3弦

高くなる

低くなる

4~6弦

低くなる

高くなる

下のGIFは6弦の音をチューニングしています。

6弦のペグを時計回りで、音が低くなります。

6弦のペグを反時計回りで、音が高くなります。

正しい弦の張り方は『弦の張り方』をご確認ください。

試しにチューニング

具体例として6弦をE(ミ)にチューニングしてみましょう。

メーターが「E」で中央を指していれば成功です!

1オクターブずれたチューニングに注意!

チューニングを行う際によくある失敗として、1オクターブずれてチューニングしてしまう場合があります。

例えば上記の6弦をEに合わせようとする場合ですと、チューナーに「E」と表示されていても、1オクターブ分高い/低い「E」に合わせてしまっている場合があります。

チューニングを行う際は、よく音を聴いて確認しながら調節していきましょう。

チューニングのパターン

スタンダードチューニングが基本!

今まで、チューニングの概要について整理しましたが、より具体的にどの弦をどの音の高さに合わせるかについて話したいと思います。

実は各弦が合わせるべき音の高さの組み合わせは、ある程度決まっています。

一番ポピュラーな組み合わせはスタンダード(ノーマル)チューニングと呼ばれるものです。

スタンダードチューニングはアコースティックギターにおける最も基本的なチューニングです。多くの楽曲はこのスタンダードチューニングを前提として作成されています。

スタンダードチューニングの各弦の音の高さは6弦から1弦へ順にE(ミ), A(ラ), D(レ), G(ソ), B(シ), E(ミ)です。

※各弦の音の高さの組み合わせのこともチューニングと呼びます。

各弦の音の高さの組み合わせという意味でチューニングの話をする際は、基本的に6弦から言います。

そして音の高さの表記ですが、私たちが慣れ親しんでいる「ドレミ…」ではなく、「CDE…」という形式が一般的です。

スタンダードチューニングの譜面上の表記

譜面上の表記ですが、以下のような形式で示されます。いずれも同じチューニングを意味しています。

実際にチューニング

では実際にチューニングをしてみましょう。

チューニングは6弦から

チューニングは6弦から行なうのが一般的です。

これには歴史的な経緯があります。

かつてはチューナーという便利な道具は存在しなかったため、音叉を利用していました。音叉という道具は特定の1音(A(ラ)、440Hz)のみ対応しています。ですから音叉を利用してチューニングを行うときは、まず音叉を使って5弦をAに合わせ、そこから6弦などの他の弦を合わせていました。

このような経緯があった名残で、チューニングは、6弦側から行うことが通例となっています。

実際にチューニング

以下の動画をみて下さい。

正しくスタンダードチューニングになっているギターの音が収録されています。ご自身のギターと比較して、適切にチューニングできているか確かめましょう。

動画の再生速度ですが、調節することができます!

PCでは、歯車マークの設定ボタンから調節可能です!

モバイルでは、専用のアプリを利用することで可能となります!

詳しくは こちら をご覧ください。

チューニング後はもう一度音を確認すること!

さて6弦から始めて1弦までチューニングができたでしょうか。

ではもう一度6弦の音の高さを確認してみて下さい。

少しずれていませんか?

実はチューニングは一度合わせただけでは、他の弦の張力の影響によって、少しずつずれてしまうのです。そのため各弦のチューニングを終えたら、もう1〜2度、各弦の音の高さを確認し、調節することをオススメします。

チューニングは再確認が重要です。

オープンチューニング

スタンダードチューニングは最も基本形のチューニングですが、スタンダードチューニングしか音の高さの組み合わせがないというわけではありません。

実はソロギターではスタンダードチューニング以外のチューニングを用いて演奏される場合が多々あります。

このような「スタンダードチューニング以外のチューニング」のことをオープンチューニングまたは変則チューニングと呼びます。

では1つオープンチューニングの具体例を挙げます。

Drop Dと呼ばれるオープンチューニングがあります。Drop Dの音の高さの組み合わせはDADGBEです。

「Drop D」という名前の由来は、スタンダードチューニングの6弦の音の高さをE→Dに1音下げている(Drop)ことが理由です。

今回はDrop Dを取り上げましたが、他にも沢山のチューニングがあります。