ソロギターアレンジ:『Lovers Again』EXILE

譜面動画



演奏動画



楽曲紹介

J-POPをソロギターで弾いてみようシリーズ、今回はEXILEさんの『Lovers Again』のサビをソロギターにアレンジしました。

『Lovers Again』は作詞が松尾潔さん、作曲・編曲がJin Nakamuraさんで、2007年にリリースされ、通算22枚目のシングルです。(Wikipedia)

もともとこの楽曲は、2006年に開催された『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 〜ASIAN DREAM〜』で新メンバーを選抜するための課題曲でした。

オーディション後、ファンからの要望に応える形でシングル曲として発表されました。(OTOKAKE)


『Lovers Again』はEXILE全体でも非常に人気が高い楽曲の1つです。

音楽配信は累計700万ダウンロードを達成していますし、このサイトによりますと、EXILEの人気曲おすすめランキングの5位にランクインしています。


またこの楽曲は、2006年のKDDIの総合音楽サービス「LISMO」のキャンペーン「au×EXILE ~第二章~」のCMソングとしてタイアップされたことでも有名です。(ITmedia Mobile)

YouTubeで当時のCMを確認することができます。(2:30〜2:44)


『Lovers Again』をソロギターにアレンジするために当時のことを調べていて、「LISMO」「着うた(フル)」など、懐かしい言葉を見かけました。

今思い返すと、当時はケータイ文化の黎明期で、そしてガラケー時代の最盛期だったかもしれませんね。

奇しくも本楽曲がリリースされた同じ年に初代iPhoneが発表され、そこから約10年で私たちを取り巻くケータイ文化は劇的に変化しました。

ハードウェアとしてはスマートフォンの普及、音楽関係のサービスとしてはYouTubeのような動画共有サイトの台頭と、Amazon Music・Apple Music・Spotifyのような定額制の音楽配信サービスが登場しましたね。

『Lovers Again』のソロギターアレンジを通じて、この先5年・10年で私たちの音楽文化やケータイ文化がどのように変化して行くのか、という未来の展望に思いを馳せると同時に、当時の音楽文化の最先端だった様々なサービス・コンテンツを懐かしんだりしました。


演奏解説

全体解説

今回はサビの部分にフォーカスしてアレンジしました。

サビだけですが、難易度は高めとなっています。

難易度が高い理由は2つあります。

1つ目はテクニック面です。

今回はネイルアタックやストリングスヒットなど、高度なテクニックが多用されているアレンジとなっています。

2つ目は符割です。

テンポそのものは80BPMでやや遅めですが、伴奏音が16部音符で細かく配置されています。

メロディー音も含めると、ほぼ1小節16音符を細かく弾く部分があります。

そのため休める場所が少なく、演奏するためには体力が必要です。


全体の演奏のポイントはテクニックを丁寧に弾く事でしょうか。

特にメロディー音を大切にテクニックを演奏することを心がけてください。


テクニック解説

テクニック

記号

解説

ハンマリング

h

ハンマリングは1度弾いた弦を左手の指ですばやく押さえて音を出す奏法のことです。

詳しくは 基本奏法:ハンマリングをご参照ください。

1小節目、5小節目、9小節目、13小節目に使われています。

プリング

p

弦を押さえている指を放す際、押さえていた指を引っかけて音を出す奏法です。

詳しくは 基本奏法:プリングをご参照ください。

2小節目、3小節目、4小節目、6小節目、10小節目、11小節目、12小節目、14小節目に使われています。

ストローク

↑ ↓

人差し指と中指(または中指と薬指)などで複数の弦をまとめて鳴らす奏法です。

1小節目、3小節目、5小節目、8小節目、9小節目、11小節目、13小節目に使われています。

8小節目以外のストロークは、人差し指で3弦と4弦をまとめてピッキングするイメージでストロークします。

ネイルアタック

×

右手の爪を弦に当てて、アタック音を出す奏法です。

五線譜・TAB符上部の×で表現されます。

1小節目〜14小節目に使われています。

7小節目2拍目オモテのネイルアタック以外は、伴奏音としてのネイルアタックなので、ソフトにネイルアタックをしましょう。

7小節目2拍目オモテのB音は、メロディー音です。はっきりとした音が出るようにネイルアタックをしましょう。

ストリングスヒット

×

右手の指先を弦の上に叩くようにして乗せて、ノイズ音を出す奏法です。

五線譜・TAB譜の線上の×で表現されます。

1小節目〜6小節目、9小節目〜14小節目に使われています。

レフトハンド

L.H.

右手で弦を弾かずに、左手だけでハンマリングやプリング、スライドなどを行う奏法です。

4小節目、12小節目に使われています。

ライトハンド

R.H.

右手だけでハンマリングやプリングする奏法です。

16小節目に使われています。

ラスゲアード

Ras.

右手の薬指から人差し指まで順々に引き下ろして音を出す奏法です。

「Ras.」とともに波線の矢印で表現されます。

1小節目と9小節目に使われています。


各小節の解説

1小節目

ラスゲアード・ストローク・ネイルアタック・ストリングスヒット・ハンマリングが使われています。

1拍目オモテのラスゲアードは、1拍目オモテよりも少し早めに弾き始め、トップの音(メロディ音)の1弦開放D音が1拍目オモテにくるように調節しましょう。

1拍目ウラのオモテとウラのウラのストローク表記は、右手人差し指で、3弦開放G音と4弦2フレットE音を2音まとめて弾きます。


2拍目オモテはネイルアタックします。

メロディーのG音がタイで伸びていますので、その音を消さないように4弦2フレットを狙うか、それよりも低音弦側を狙ってネイルアタックしましょう。

このネイルアタックはあくまでメロディーのウラでなっているアタック音なので、音量に注意してください。

『チャ』というノイズ音が鳴る程度で大丈夫です。

2拍目ウラはストリングスヒットです。

2拍目オモテのウラで鳴らした1弦開放D音と2弦開放B音を2拍目ウラで弦に触れて音を消します。

その際ただ触れるだけでなく、少し叩くように弦に触れることによりアタック音を出すことができます。

また2拍目ウラのウラの1弦開放D音と2弦開放B音は、ストリングスヒットする際に1,2弦に触れた右手をウラのウラの拍まで触れたままにして起き、ウラのウラのタイミングで弾きます。


3拍目のベース音4弦開放弦D音は弾き遅れないように注意しましょう。

前の拍でネイルアタックやストリングスヒットがあるため、拍がばらつきがちです。

特にこのD音が弾き遅れてしまうため、気をつけてください。


4拍目オモテはネイルアタックです。

このネイルアタックも特定の弦を狙ったものではなく、あくまで伴奏のアタック音をだすネイルアタックです。

音量に注意し、3弦2フレットA音を狙ってネイルアタックしましょう。


4拍目ウラのオモテからウラのウラにかけてはハンマリングで2弦1フレットC音を出します。

ハンマリングする際はダイアグラム譜で示されている通り、3弦2フレットA音を押さえたままにしましょう。



2小節目

プリング・ネイルアタック・ストリングスヒットが使われています。

1拍目ウラのオモテ〜ウラのウラにかけてはプリングで音を出します。


2拍目オモテはネイルアタックです。

ネイルアタックで狙う弦は4弦開放D音辺りです。

ソフトにネイルアタックしましょう。


2拍目ウラのオモテはストリングスヒットがあります。

ここでは、2拍目ウラのウラで弾く2弦1フレットC音と3弦2フレットA音をを押さえた状態で、ストリングスヒットを行いましょう。


4拍目オモテはネイルアタックです。。

狙う弦は4弦あたりで、ソフトにネイルアタックしましょう。



3小節目

ストローク・ネイルアタック・ストリングスヒット・プリングがあります。

1小節目と構成はほぼ同じですから、解説は1小節目を参照してください。

4拍目ウラのオモテからウラのウラにかけてはプリングで1弦開放D音を出します。

プリングする際はダイアグラム譜で示されている通り、3弦2フレットA音を押さえたままにします。



4小節目

ネイルアタック・ストリングスヒット・レフトハンド・プリングが使われています。

特にレフトハンドは頻出していて、1拍目オモテ、3拍目オモテのオモテ、4拍目オモテのオモテに使われています。


1拍目オモテの5弦4フレットB音のレフトハンドは音量に気をつけましょう。

前の小節の運指の関係から力が十分に入らず、音が小さくなってしまう場合があるためです。


2拍目オモテのオモテはネイルアタックです。

狙う弦は4弦開放D音辺りで、ソフトにネイルアタックしましょう。


2拍目ウラのオモテはストリングスヒットがあります。

ストリングスヒットする際は、1弦と2弦は弦を抑えず、開放弦にしておきましょう。


3拍目と4拍目のレフトハンドは流れに任せて弾いても問題なく弾けるでしょう。



5小節目

1小節目と構成はほぼ同じです。

1拍目はラスゲアードではなく、ピッキングで音を出しましょう。



6小節目

2小節目と同じです。



7小節目

2拍目オモテと4拍目オモテにネイルアタックが使われています。


2拍目オモテのネイルアタックはメロディをネイルアタックします。

ピッキングする時と同じ音量にすることを心がけましょう。

あるいは他のネイルアタックのソフトなネイルアタックではなく、はっきりとした音でネイルアタックさせましょう。


4拍目のネイルアタックは4弦開放D音を狙いますが、実際は4弦をを左手でミュートしつつミュートされた4弦を狙います。

ですからD音は鳴らすというよりも、ノイズのようなアタック音がなればいいです。

というのもD音は、元のコードAmのコードトーンではありません。

4弦のコードトーンは2フレットのE音ですが、運指の関係から押さえるのが難しく、このような方法をとりました。

カッコ書きのD音はそういう理由です。



8小節目

ストローク・ネイルアタックが使われています。


1拍目ウラのウラと、2拍目ウラ、4拍目ウラにストロークが使われています。

1拍目ウラのウラ、2拍目ウラのストロークは3弦2フレットA音が鳴っているので、その音を消さないように5弦4弦をストロークしましょう。

4拍目ウラのストロークは6弦をしっかりミュートして、3〜5弦をストロークします。


4拍目オモテはネイルアタックです。

狙う弦は3弦1フレットG#音、4弦4フレットF音あたりを狙います。

ソフトにネイルアタックしましょう。



9小節目

1小節目と同じです。



10小節目

2小節目と同じです。



11小節目

3小節目と同じです。



12小節目

4小節目と同じです。



13小節目

5小節目と同じです。



14小節目

6小節目と同じです。



15小節目

特別なテクニックはありません。

解説することは特にないのですが、強いてあげるとすれば、符割に気をつけましょう。



16小節目

3拍目のG#音はライトハンドで出します。

4弦2フレットE音と6弦4フレットE音を左手でしっかりと押さえたまま、ライトハンドで音を出しましょう。