ソロギターアレンジ:『蛍の光』

『蛍の光』TAB譜


『蛍の光』演奏動画

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楽曲紹介

日本の唱歌をソロギターで弾いてみようシリーズ、今回は『蛍の光』をソロギターにアレンジしました。

『蛍の光』はスコットランド民謡『オールド・ラング・サイン』を原曲として制作され、稲垣千穎さんによって作詞されました。


『蛍の光』が発表された年は今から100年以上前の1881年ですが、今なお多くの人に親しまれています。

『蛍の光』といえば、やはり「別れ」をイメージする場面で使われることが多いですよね。

身近な例ですと、『仰げば尊し』と並んで一昔前の卒業式の定番ソングでしたし、NHK紅白歌合戦では、歌合戦の締めとして出演者による合唱が行われることが有名ですし、そして全国高校野球の閉会式でも合唱・演奏が行われます。


そしてお店の閉店時間の直前であることを告げる合図としても、この『蛍の光』が流される場合が多いことでも有名ですよね。

今回、この記事を書くために『蛍の光』のWikipedia を眺めていたのですが、どうやらこの「合図」は必ずしも『蛍の光』ではない場合があるという衝撃の事実に出会いました。

詳しくは元ページであるWikipediaをご確認いただきたいのですが、簡単に整理しますと、『別れのワルツ 』という別の楽曲があり、こちらである場合が多いのだそうです。

両者が似ている理由としては、『オールド・ラング・サイン』を原曲にして作られた楽曲であるためです。

今度、近所のスーパーに閉店間際に行く機会があったら、『蛍の光』・『別れのワルツ』のどっちなのかよく聴いてみてください。


『蛍の光』をアレンジしようと考えたキッカケは、「平成」という一世代との「別れ」を感じたためです。

私は平成生まれですが、このような形で平成と別れることになるとは思ってもみなかったですから、少し寂しい気持ちがあります。

ですが、次の時代がすぐそこまで来ています。

気持ちを新たに、次の時代に臨みたいと思います。


演奏解説

全体解説

今回のアレンジは17小節の構成ですが、8箇所(8小節)にレフトハンドを取り入れてみました。

と言うのも、実はこの楽曲はレフトハンドの練習曲としてアレンジした経緯があるためです。

8小節のうち、4小節はメロディー音をレフトハンドで演奏し、残りの4小節はベース音をレフトハンドで演奏します。


テクニック解説

テクニック

記号

解説

レフトハンド

L.H.

右手で弦を弾かずに、左手だけでハンマリングやプリング、スライドなどを行う奏法です。

詳しくは 特殊奏法:レフトハンドをご参照ください。

3小節目、5小節目、7小節目、9小節目、11小節目、13小節目、15小節目、17小節目で使われています。


各小節の解説

1小節目

この楽曲は4拍子ですが、1小節目には1拍分しかありません。

これは弱起と呼ばれ、第1拍目以外から演奏を開始することを意味しています。

今回の場合は4拍目から開始するイメージです。

「イチ、ニ、サン」と数えてから弾き始めると弾きやすいでしょう。




3小節目・7小節目・15小節目

メロディーをレフトハンドで演奏します。

ベース音の6弦開放弦D音は右手でピッキングします。

レフトハンドで出す音は4つで、ダイアグラム譜で示されているように、全ての音を中指の動作で出します。

レフトハンドは以下の流れで演奏します。

  1. 3弦2フレットA音:左手中指でハンマリング

  2. 3弦開放弦G音:左手中指でプリング

  3. 3弦2フレットA音:左手中指でハンマリング

  4. 3弦4フレットB音:左手中指でスライド



5小節目・13小節目

ベース音をレフトハンドで演奏します。

メロディー音の1弦開放弦E音は右手でピッキングします。

レフトハンドで出す音は2つで、ダイアグラム譜で示されているように、全ての音を薬指の動作で出します。

レフトハンドは以下の流れで演奏します。

  1. 5弦3フレットC音:左手薬指でハンマリング

  2. 5弦3フレットC音:左手薬指でハンマリング


運指に関しては、特に1拍目に注意してください。


5小節目1拍目の運指に切り替える際に、2弦3フレットを押さえていた人差し指を放しますが、その時に2弦開放弦B音が鳴らないように気をつけましょう。

と言うのも、直前の小節の最後の運指で、2弦3フレットD音を押さえています。

大概の場合、押弦している弦を放す時は、わずかにプリング気味に指が離れるので音が鳴ってしまいます。

指を離す際に音を出さないようにするためには、以下のいずれかの方法で対応できます。

  • 音が出ないように注意して人差し指を離す。

  • 僅かに2弦に人差し指を触れさせておく、あるいは押さえたまま2弦1フレットC音(この音なら仮に音が鳴っても影響がない)の所まで指をスライドさせて、5弦3フレットC音をレフトハンドする。



9小節目

ベース音をレフトハンドで演奏します。

メロディー音の3弦開放弦G音と1弦開放弦E音は、右手でピッキングします。

レフトハンドで出す音は3つで、ダイアグラム譜で示されているように、全ての音を薬指の動作で出します。

レフトハンドは以下の流れで演奏します。

  1. 6弦5フレットG音:左手薬指でハンマリング

  2. 6弦5フレットG音:左手薬指でハンマリング

  3. 5弦3フレットC音:左手薬指でハンマリング



11小節目

メロディーをレフトハンドで演奏します。

ベース音の6弦開放弦D音は右手でピッキングします。

レフトハンドで出す音は4つで、ダイアグラム譜で示されているように、全ての音を中指の動作で出します。

レフトハンドは以下の流れで演奏します。

  1. 3弦2フレットA音:左手中指でハンマリング

  2. 3弦開放弦G音:左手中指でプリング

  3. 3弦2フレットA音:左手中指でハンマリング

  4. 2弦5フレットE音:左手中指でハンマリング



17小節目

ベース音をレフトハンドで演奏します。

メロディー音の3弦開放弦G音は右手でピッキングします。

レフトハンドで出す音は1つで、ダイアグラム譜で示されているように、薬指の動作で音を出します。

レフトハンドは以下の流れで音を出します。

  1. 6弦5フレットG音→左手薬指でハンマリング