ソロギターアレンジ:『アメージング・グレース』

譜面




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楽曲紹介

『アメージンググレース(Amazing Grace)』をソロギターにアレンジしました。

『アメージンググレース』はおそらく最も有名な賛美歌です。作曲者は不明、作詞はイギリスの牧師ジョン・ニュートン(John Newton)で、アメリカで最も愛称されている楽曲だそうです。(Wikipedia調べ)

ニュートンは奴隷貿易に従事していましたが、歌詞ではそれに対する後悔と、赦しを与えてくれた神への感謝が表現されています。 ニュートンは奴隷貿易によって築いた多額の財産を寄付して牧師となり、『アメージンググレース』が作られました。


『アメージンググレース』は多くの方によって歌唱されています。

海外ですと、2015年には当時のアメリカ大統領オバマ氏が、同年に発生した銃乱射事件の犠牲者の葬儀で歌唱したことがとても印象的です。

日本では、本田美奈子さんが歌われていることで特に有名ですね。

個人的には、アニメ『交響詩篇エウレカセブン』のOPの1つ、NIRGILISの『sakura』で使用されていたことで印象的です。ゲッコーステイトのメンバーの成長、レントンとエウレカの恋愛、人間とコーラリアンの共生といった『交響詩篇エウレカセブン』のテーマにぴったりなアレンジだったのではないでしょうか。


この記事を書くのに当たって『アメージンググレース』について調べていましたが、1772年に作成されたことを初めて知りました。つまり今から約350年前に歌詞が作成されたわけですが、これほど古い楽曲が今でも愛され続けていることには、やはりそれなりの理由があると考えるべきなのでしょうか。歌詞の文言のチョイス、コード展開など、愛され続ける要因は様々あるとは思いますが、確かに『アメージンググレース』を聴いていると、不思議と清らかな気持ちになりますよね。


演奏解説

全体解説

全体的に特別なテクニックがあるわけではありませんが、単調なアルペジオだけの構成でもありません。初心者向けという意味では、弾きごたえがあるアレンジになっています。

使われているテクニックは、スライドとナチュラルハーモニクスのみです。両者ともに難しい使用方法ではなく、非常に基本的な使われ方です。強いて言うなら、スライドの際の装飾音符のタイミングに注意してください。また3連符を正確なテンポで弾くことも心がけてください。

運指的には少々難しいと感じる部分はあるかもしれませんが、初心者の方にも十分に演奏可能です。


テクニック解説

テクニック

記号

解説

スライド

s

弦を弾いた後、そのまま押さえている指を移動させて音を出すテクニックです。

詳しくは基本解説:スライド・グリッサンドをご参照ください。

ナチュラルハーモニクス

Harm.

ハーモニクスとは高音で柔らかい音色(倍音)を出す奏法です。ナチュラルハーモニクスはハーモニクスの基本となる奏法です。

※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。


ポイント解説

1小節目 弱起とスライド

この楽曲は3拍子ですが、1小節目には1拍分しかありません。

これは弱起と呼ばれ、第1拍目以外から演奏を開始することを意味しています。今回の場合は3拍目から開始するイメージです。「イチ、ニ」と数えてから弾き始めると弾きやすいでしょう。

1拍目裏のD音はスライドで音を出します。1拍目表で3弦2フレットA音を弾いた後、1拍目裏のタイミングに合わせて指をスライドさせます。スライドで音を出すことだけに意識が行ってしまうと、スライドするタイミングが早くなりがちです。きちんとタイミング合わせてスライドさせましょう。

なお5小節目にも、このパターンでスライドがありますが、同様に演奏してください。


2小節目 スライドと装飾音符

2小節目にはスライドと装飾音符が登場します。

装飾音符とはスラッシュが入った小さな音符のことです。装飾音符は指定された音を、ごく短い間鳴らします。そして装飾音符は拍数にカウントしません。

動作的には通常のスライドと同様です。まず2弦5フレットE音を鳴らし、その後2弦7フレットF音までスライドします。ポイントはF音を3拍目オモテのタイミングになるように合わせてスライドさせることです。これは装飾音符が拍数にカウントされないためです。

なお6小節目にも、このパターンで装飾音符とスライドがありますが、同様に演奏すれば問題ありません。


2小節目 3連符

2小節目3拍目のスライド直後は3連符です。

1拍の中に均等な長さの音を3つ鳴らす必要があります。メトロノームなどを使って練習しましょう。


3小節目 スライド

3拍目ウラの2弦5フレットE音はスライドで音を出します。

3拍目表の2弦7フレットF音を鳴らした後、3拍目ウラのタイミングに合わせるように右手の小指を移動させます。しっかりと3拍目裏のタイミングに合わせるようにスライドさせましょう。拍に合わせる意識がないと、大概拍からずれてしまうため注意が必要です。


8小節目 部分セーハ

この小節は1弦から3弦を1本の指でまとめて押さえます。

このように1本の指で複数の弦を押さえることをセーハと呼び、今回のように6弦中の一部だけをセーハすることを部分セーハと呼びます。今回は人差し指で1弦から3弦を部分セーハしてください。


9小節目 部分セーハとハーモニクス

前節に引き続き、9小節目でも部分セーハし続けます。1弦から3弦までを部分セーハしてください。


加えて2拍目表は4弦7フレットD音のナチュラルハーモニクスを鳴らします。

この小節で注意していただきたいのは、ダイアグラム譜で示されているフォームを崩さないことです。部分セーハをしつつ、小指を動かすのは少々難しいですが練習しましょう。


10小節目以降

10小節目以降の小節は、基本的に1〜9小節目の繰り返しとなります。類似箇所の解説を参照していただければ演奏することができます。