ソロギターアレンジ:『相棒』メインテーマ

ソロギターTAB譜面動画



演奏動画



楽曲紹介

ドラマのメインテーマをソロギターで弾いてみようシリーズ、今回は『相棒』のメインテーマの一部をアレンジしました。

相棒のメインテーマは池頼広さんが作曲されました。このメインテーマは様々なバージョンがあります。ご存知の通り、シーズンごとにアレンジが異なるためです。

説明不要だと思いますが、相棒はテレビ朝日系のテレビドラマシリーズです。警視庁特命係の杉下右京とその相棒の活躍を描いた刑事ドラマです。相棒は2019年の時点では冠城亘ですが、過去には亀山薫、神戸尊、甲斐享がおり、計4人と共に物語が作られました。相棒の魅力は本当にたくさんありますが、やはり右京さんと相棒のコンビネーションが挙げられるでしょう。ご存知の通り、右京さんには卓越した推理力があり、それを生かして捜査を進めます。対して相方である相棒は、自身の特徴を生かし、右京さんをサポートする形で物語に関与する展開が多いです。例えば亀山くんは強靭なフィジカルや直感、神戸くんは右京さんに劣らない洞察力、カイトくんは若さ故の情熱や正義感、冠城くんは飄々としつつも真実に向かおうとする強い意志で、右京さんの捜査を補完していきます。

相棒のメインテーマですが、先述の通り、多くのバージョンがあります。個人的には、神戸くんが相棒になってからのシーズンのメインテーマのアレンジは、その時々の相棒をイメージしたものになっていると感じます。例えば神戸くんが相棒だったSeason8〜10のアレンジは、ジャジーでムードたっぷりなアレンジで、エレガントな神戸くんにぴったりです。カイトくんが相棒だったSeason11〜13のアレンジは、オーケストラによる勇ましいアレンジで、歴代の相棒と比べて若いカイトくんにふさわしいアレンジなのではないでしょうか。冠城くんが相棒になったSeason14〜のアレンジは、S.14のアレンジが軽快なテイストだった一方、S.15・S.16は重厚な仕上がりでしたので、冠城くんの掴みどころのなさと真実の希求する強い意志を感じます。

さて今回のメインテーマのソロギターアレンジですが、先述のいずれかのシーズンのバージョンををイメージしてアレンジしたというワケではありません。イメージ的には物語の終盤に、悲しい結末を迎えている場面で流れてきそうな、少し物悲しさを意識したアレンジにしてみました!シリーズ数が17、放送回数300回以上を誇る相棒ですから、1回ぐらいはこんな感じのアレンジが使われていてもおかしくはないのではないでしょうか!?



演奏解説

全体解説

短めのアレンジとなっております。メインテーマで最も印象的なフレーズにフォーカスしてアレンジしました。スコア的には10小節分、演奏時間も30秒程度ですので、みなさまもお手軽に演奏できるのではないでしょうか。

アレンジ自体もシンプルを心がけました。楽曲紹介の部分でご説明した通り「物悲しさ」を意識したアレンジを志向しました。そのため音数は抑え目なアコギの音色を聴かせるアレンジとなり、結果的にメインテーマのメロディの良さが引き立ったかなと感じています。

使用するテクニックも最小限です。アルペジオと基本奏法のハンマリング・プリングのみです。そういった意味でも演奏の難易度は非常に易しいです。

ただ1点、カポの位置に戸惑う方もおられるのではないでしょうか。今回のアレンジでは、原曲のキーに合わせるために8フレットにカポをつけて演奏することを想定しています。そのためフレット幅が狭く、演奏しづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。原曲キーにこだわりがないのであれば、カポの位置を下げることによって演奏しやすくなると思いますので、弾きづらさを感じている方はお試しください。



テクニック解説

テクニック

記号

解説

ハンマリング

h

ハンマリングは1度弾いた弦を左手の指ですばやく押さえて音を出す奏法のことです。

詳しくは基本奏法:ハンマリングをご確認ください。

1小節目、5小節目に使われています。

プリング

p

弦を押さえている指を放す際、押さえていた指を引っかけて音を出す奏法です。

詳しくは基本奏法:プリングをご確認ください。

1小節目に使われています。

※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。



ポイント解説

1小節目 ハンマリング・プリング

楽曲の冒頭ですが、ハンマリング・プリングからスタートします。

フレーズ的に、2拍目ウラのハンマリングが先走りがちになります。拍を意識して演奏することを心がけましょう。拍通りに演奏するためにはメトロノームを用いた練習がオススメです。ちなみに演奏動画の演奏速度は60〜70BPM程度です。試してみてください。

また5小節目4拍目ウラにもハンマリングが登場します。ここと同様に、先走ることがないように注意してください。



2小節目〜3小節目

2小節目4拍目ウラから3小節目2拍目オモテまで、3弦A音をタイで伸ばします。

音を十分に伸ばすために、A音を出すために押さえている人差し指を離さないように気をつけてください。ダイアグラム譜通りに運指を進めていけば、余裕を持って弦を押さえることができると思いますので、ぜひご参考になさってください。

また5小節目3弦2フレットA音も、同じくタイで音を長く伸ばします。音が途切れることがないように注意してください。