ソロギターアレンジ:『雪の進軍』

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楽曲紹介

軍歌をソロギターで弾いてみようシリーズ、今回は「雪の進軍」をソロギターアレンジしました。

「雪の進軍」は永井建子によって作詞・作曲されました。1895年に作成ましたので、今から120年以上前の楽曲です。当時の日本は日清戦争中で、出兵中に体験した飢えや寒さをもとにして作成されたと言われています。戦闘中の兵士たちの本音がふんだんに盛り込まれており、一部の歌詞は改定されて掲載されるほどでした。指揮を高めることを目的としている軍歌ですし、ましては戦時中ですから、表現の自由はありませんでした。「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ…」という感じですね。

個人的な話ですが、「雪の進軍」は「ガールズ&パンツァー」で知りました。第9話のプラウダ戦で秋山優花里とエルヴィンが敵戦車の配置の偵察の際に、口ずさんでいるシーンです。確かに雪上の戦いでしたし、歩いて偵察をしていましたが、軽快に歌う歌詞の内容が生々しくてギャップを感じたことを覚えています。

「ガールズ&パンツァー」では、「雪の進軍」は2パターンが音源化されています。大洗のあんこうチームが歌うバージョンと、秋山優花里とエルヴィンが歌うバージョンです。アニメ内では劇中歌というよりセリフみたいな扱いで登場した「雪の進軍」でしたが、2バージョンも新録されるということは、ファンからの人気も相当に高いことが窺えます。

「ガールズ&パンツァー」は知り合いのガルパンおじさんから勧められて見ました。当時、たまたまAmazon Prime Videoで無料で見られるということで視聴しました。当時は(今もそれほどは)戦車のことは知らなかったのですが、めちゃくちゃ楽しめました!少女たちが戦車を通じてアツい友情を結ぶ様子は、スポ根アニメを見ている感覚で、人気な理由が良くわかりました。アニメ版をひとしきり見た後は、ガルパンおじさんから劇場版のBlu-rayを借りて観ました。大学選抜チームとの試合開始直前に、各校の代表が応援に駆けつけてくれたシーンは感動しましたね。あまりに感動して、当時ロングラン上映を続けていた立川シネマシティで爆音上演を体験しました。大勢のファンと一緒に素晴らしい時間を共有することができました。最終章の続編が待ち遠しいです。

さて今回のソロギターアレンジですが、原曲が持つ力強さや、ポップで跳ねたテンポを生かしつつ、演奏しやすいように難しいテックニックなどは、なるべく使わないようにアレンジしました。

演奏解説

全体解説

難しいテクニックなどはなく、弾きやすそうに見えますが、曲の雰囲気を生かして弾くのはなかなか難しい曲です。

後で触れますが、部分的に2フィンガーで弾く所があり、他の曲とかってが違っていて難しいと感じるかもしれません。またイントロに限ってですが、歯切れよく演奏するために、あえて開放弦を使わないようにアレンジしています。そのため少し運指が難しいと感じるかもしれません。

テクニック解説

テクニック

記号

解説

プリング

P.

弦を押さえている指を放す際、押さえていた指を引っかけて音を出す奏法です。

詳しくは基本奏法:プリングをご確認ください。

ストローク

↑↓

人差し指と中指(または中指と薬指)などで複数の弦をまとめて鳴らす奏法です。

詳しくは特殊奏法:ストロークをご確認ください。

※TAB譜の読み方はこちら、ダイアグラム譜の読み方はこちらをご参照ください。

ポイント解説

運指に慣れる

まずはゆっくり弾いて曲に慣れましょう。動画の半分ぐらいのスピードで練習すると良いでしょう。

この楽曲には譜割りが細かい部分があるのですが、あまり気にしないで弾き進め、運指に慣れることを優先してください。

「雪の進軍」の中には特殊奏法としてストロークが使われていますが、難しいと感じる場合は弾かずに無視しても構いません。

例えばp.2の3段目2小節目〜4段目2小節目までストロークが使われていますが、難しいと感じる場合は、ストロークはないものとして弾くか、あるいはその場所を飛ばしてください。

プリングについてもストロークと同様です。

p.3 3段目1小節目2拍目にプリングが使われています。プリングが難しいと感じる場合は、プリングがないものとして弾くか、その場所を飛ばして別の部分を練習してください。

譜割り通りに弾く

譜割り通りに弾くことを意識してください。この曲に限ったことではないのですが、譜割り通りに弾くことが上達のコツです。大抵の楽曲の場合、譜面で示されている譜割り通り弾くことを意識するだけで、うまく演奏しているように聞こえます。

例えばp.1,1段,3小節目や、p.1,3段,1小節などは1拍目に16分音符があり、楽譜通りに弾こうとすると少々難しいです。


メトロノームを使い、まずはゆっくり遅いテンポから合わせる練習を始めて、徐々にテンポを速めて練習すると効果的です。

2フィンガーで弾く

遅いテンポで弾くのであれば、通常の弾き方でも問題ないのですが、遅いテンポでは原曲の雰囲気があまり出せません。(遅いテンポでは遅いテンポでまた違った雰囲気があって良いのですが)

動画のようにスムーズに弾くためには、2フィンガー(人差し指と中指で交互に弾く奏法)でピッキングすることで解決できる部分があります。

以下の小節は2フィンガーで弾くとスムーズに速いテンポで弾くことができます。

  • p.1:1段,3小節目および3段,1小節目

  • p.2:1段,2小節目

  • p.3:1段,3小節目および4段,3小節目

  • p.4:1段,3小節目

p1,1段,3小節目を例に説明します。(i:人差し指 m:中指)

画像で示されているように、右手は通常のピッキングとは異なり、人差し指と中指で交互に弾きます。

このように弾く理由としては、薬指や親指は人差し指や中指に比べて動作に時間がかかり、素早いピッキングとなるとテンポ通り弾くことが難しいのです。そのため、比較的早い動作にも対応できる人差し指と中指を交互に弾くことで、素早く弾くという問題を解決しているのです。

また以下の画像の箇所(p3,1段,3小節目)は親指は複数音弾く時のみ使い、それ以外は人差し指と中指で弾きます。

具体的には1泊目表6弦5フレットG音、3拍目表4弦開放D音は親指で弾き、メロディーパートや単音の伴奏は人差し指と中指で交互に弾きます。

メロディーを意識して弾く

最後にこれまでのことに加えてメロディーを意識して演奏しましょう。

メロディーを歌わせるようにするため、弦を押さえて弾く所はギリギリまで手を放さないように注意しましょう。指を離してしまうと音が途切れてしまうため、楽譜通りギリギリの所まで押さえ続けてください。

例えばp3,2段1小節は、5弦3フレットC音と4弦2フレットE音を押さえています。それぞれを押さえている指を、2小節1拍目に差し掛かるぎりぎりまで押さえておきましょう。

次の2小節1拍目から押さえ方が変わることに気をとられると、ついつい早く手を放してしまいますが、そこは我慢です。こうすることでメロディーや伴奏とても綺麗に聞こえます。

このように曲全体を通して、左手で弦を押さえて弾く所はぎりぎりまで押さえて弾きましょう。